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住宅の気密性とは?高気密住宅のメリット・デメリットについて解説

2023/01/25

「気密性ってなに?」
「気密性を上げるとどうなるの?」
「高気密住宅かどうかを判断する方法を知りたい」
このような悩みをお持ちではありませんか?

「高断熱」はよく聞くものの「高気密」はあまり聞かない方もいるのではないでしょうか。

本記事では、以下の内容についてまとめました。

● 住宅の気密性とは?基準や概要をわかりやすく解説
● 気密性が高い住宅に住む3つのメリット
● 気密性が高い住宅に住む3つのデメリット

気密性は住宅を考えるうえで重要な要素なので、本記事を読んで理解を深めておきましょう。
ぜひ最後までご覧ください。

住宅の気密性とは?高気密住宅のメリット・デメリットについて解説

住宅の気密性とは?基準や概要をわかりやすく解説

住宅における気密性は「できる限り家のすき間をなくして、室内外の空気の出入りを少なくしているかどうか」を指しています。
住宅の気密性を判断するための指標として、C値が用いられます。
C値とは「家全体にあるすき間合計面積(㎠)を延べ床面積(㎡)で割った数値」です。

具体的には、以下のように表されます。

● C値が低い = すき間が少ない = 高気密住宅
● C値が高い = すき間が多い = 低気密住宅

高気密住宅のC値は「1㎠/㎡以下」が1つの基準といわれています。
気密性を重視する場合には、メーカーの担当にC値について相談しましょう。

気密性が高い住宅に住む3つのメリット

住宅の気密性を高めると、次に示す3つのメリットがあります。

1. 断熱性能が上がり光熱費が抑えられる
2. 換気性能が上がり汚染物質の侵入を防げる
3. 結露しにくいので家が傷まない

順番に詳しく解説していきます。

1.断熱性能が上がり光熱費が抑えられる

気密性を高めると、断熱性能が向上して光熱費が削減できます。
高気密住宅はすき間が少ないため、室内の空気が漏れにくく冷暖房効率が上がります。

厚手のセーターだけでは、縫い目から空気が侵入して寒いと感じませんか。
しかしウィンドブレーカーを重ね着すると、保温性が高まりますよね。
それと同じで、いくら高価な断熱材を使用しても、すき間が多ければ外気が侵入して断熱効果は減少してしまうでしょう。

そのため、気密性を高めると光熱費削減につながります。

2.換気性能が上がり汚染物質の侵入を防げる

高気密住宅では換気性能が向上するばかりでなく、花粉やPM2.5などの侵入を防ぐメリットがあります。
すき間が少ないと無駄な空気の漏出がありません。

穴の開いたストローで呼吸をするのは、空気が漏れている感じがして非効率なのがわかりますよね。
汚れた空気は漏れなく排出しきれいな空気をしっかり取り込むためには、すき間の少なさが重要です。

気密性が高い住宅は、そもそもすき間が少ないので汚染物質の侵入も防止できます。
アレルギーの原因になるような汚染物質のない、きれいな空気が取り込まれるため、花粉症の症状が軽減されたといった声も多数あるようです。

3.結露しにくいので家が傷まない

高気密住宅は結露しにくくカビが生えにくいため、家も傷みにくいのが特徴です。
気密性の低い家では、すき間から暖気・冷気が侵入します。
このとき、室内外の温度差により発生するのが結露やカビです。

高気密化すると、すき間から外気が侵入するのが抑えられるため、室内外の温度差が発生しにくくなっています。
またすき間から流入する湿気も少ないため、洗濯物が乾きやすいといったメリットもあります。

気密性が高い住宅に住む3つのデメリット

高気密性住宅の魅力的なメリットを紹介してきましたが、デメリットに関しても理解しておきましょう。

1. 空気や湿気がこもってしまう
2. 施工コストが高い
3. 開放感が少ない

デメリットへの対処法も紹介するので、ぜひご覧ください。

1.空気や湿気がこもってしまう

高気密住宅は断熱性能が向上して室内温度が安定する一方で、室内の汚れた空気や湿気がこもりやすくなっています。
すき間を減らすと、室内外の空気の出入りが最小限に抑えられているからです。

ひと昔前までは、家の部材に含まれる有害物質が外に排出されずに、頭痛や吐き気などが起こる「シックハウス症候群」が問題になりました。
しかし、現在の住宅では24時間換気システムの設置が義務化されており、問題は軽減しています。

24時間換気システムは、窓を閉めきっていても家全体の空気をゆっくり入れ替えてくれるシステムです。
24時間換気システムを止めなければ、十分に対策可能な問題といえます。

2.施工コストが高い

高気密住宅を考える場合、標準的な気密性能の住宅に比べると、一般的には施工コストが高くなる傾向があります。
コストがかかってしまう理由は、以下の2点です。

● すき間を埋めるために専用の資材が必要になる
● 施工技術が高い職人を雇う必要がある

標準的な住宅の建設費用と比べると、坪単価で3~5万円高くなるといわれています。
しかし、高気密住宅は光熱費の節約につながりますし、換気性能のおかげで家も傷みにくい特徴があります。
先々のランニングコスト節約を考えると、検討する価値があるといえるでしょう。

3.開放感が少ない

気密性や断熱性を重視しようと考えると、窓が少なく開放感のない家が完成してしまう場合があります。
開口部から空気が流出するのを防げますし、施工コストも必要なくなるため、あえて窓を少なく提案される場合には注意が必要です。

気密シートのような専用の部材ですき間を埋める処置を徹底すれば、窓があっても十分な気密性を確保できます。
また、天井を吹き抜けにする選択でも開放感の演出は可能です。

ハウスメーカーの担当と十分に話し合い、開放感を損なわない高気密住宅を検討しましょう。

まとめ

本記事では、高気密住宅のメリットとデメリットを紹介してきました。
高気密住宅は、標準的な住宅に比べると施工費が多くかかってしまいます。
しかし、住み始めたあとの省エネ効果を考えると、初期コストをかける意味は大きいといえるでしょう。

長期的な視点で検討して、高気密化を選択するかどうかじっくり考えてくださいね。

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