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2023/01/24
高気密・高断熱住宅について言葉は知っていても、具体的にどのようなメリットやデメリットがあるのか知らない方も多いでしょう。
この記事では、次のような疑問を解消します。
● 高気密・高断熱住宅にはどんなメリット・デメリットがある?
● 高気密・高断熱住宅を建てる際に注意すべき点は?
● 施工を依頼する住宅メーカーを選ぶポイントは?
施工前や毎日の暮らしの中で、知っておきたい注意点についてもお伝えします。
目次
高気密住宅とは、壁や天井、床などに断熱材や気密テープなどを使用して、できる限り隙間をなくした家です。
屋外と室内の空気の出入りを最小限し、屋外の冷気や熱気の影響を受けにくい構造を実現します。
高断熱住宅とは、屋外の熱が伝わりにくい構造で、外気温が家の中に伝わりにくい家です。
気密性と断熱性はどちらかの性能が欠けると、十分な効果が得られません。
両方の性能が組み合わせられ、外気温に左右されにくい室内環境が維持できます。
高気密・高断熱住宅には、3つのメリットがあります。
それぞれ詳しく解説します。
高気密・高断熱住宅は、屋外の温度が室内に影響しにくい構造です。
外の寒さや暑さが家の中に伝わりにくいため、室内は年間を通して適温に保たれます。
冬は暖かく、夏は涼しく過ごせるのが、高気密・高断熱住宅の最大のメリットでしょう。
高気密・高断熱住宅は、部屋ごとの気温差が少ないため、ヒートショックのリスクを削減できます。
ヒートショックとは、温度の急変によって血圧が変動し、血管の病気を引き起こす健康障害です。
一般住宅では、入浴時にヒートショックが起こりやすくなります。
暖められたリビングから気温の低い浴室へ移動したあと、温かい湯船に浸かると血圧が乱高下するのが原因です。
高気密・高断熱住宅は家全体を一定の温度に保ちやすいため、ヒートショックのリスクが削減され、体への負担を少なくできます。
高気密・高断熱住宅は外気温の影響を受けにくく、室内の空気が外へ逃げにくい性質であるため、冷暖房が効きやすくなります。
一旦室内が適温になると維持しやすく、冷暖房の稼働は最小限で済み、光熱費を抑えられます。
高気密・高断熱住宅にも、次のようなデメリットがあります。
それぞれ詳しく解説します。
高気密・高断熱住宅では、内部結露が発生する場合があります。
内部結露とは、冬に室内の暖かい空気が壁の内部に入り冷やされ、壁の内部で発生する結露です。
場合によっては、ダニやカビが発生したり柱が腐食したりする恐れがあります。
内部結露を防ぐには、壁内の断熱材を隙間なく充填するなど、建築時の丁寧な施工が必要です。
高気密・高断熱住宅を建てるには、通常の住宅を建てるよりも建築費用がかかります。
費用がかかる要因は、次の2点です。
● 断熱材などの材料費がかかる
● 施工に手間がかかる
建築費用は高めですが、高気密・高断熱住宅では光熱費を節約できるため、長期的に見ればトータルコストを抑えられます。
高気密・高断熱住宅を建てる際の注意点は、次の2点です。
注意点を把握し、高気密・高断熱住宅を建てるか検討してください。
高気密・高断熱住宅のメリットを活かすには、第1種換気方式を選ぶのがよいでしょう。
2003年7月以降、すべての建造物に換気システムの設置が義務付けられています。
一般的な住宅では第1種換気か第3種換気が用いられますが、第1種換気では換気による室内の温度変化を少なくできます。
第1種換気と第3種換気の違い
換気方式 | 給気方法 | 排気方法 | 熱交換器の取り付け |
第1種換気 | 機械 | 機械による | 可 |
第3種換気 | 自然 | 機械による | 不可 |
第3種換気は、換気による外気温の影響を受けやすい点がデメリットです。
しかし、第1種換気は熱交換器を取り付ければ、排気の熱を給気に移動させられるため、室内が外気の影響を受けにくくなります。
高気密・高断熱住宅では、室内の二酸化炭素濃度が上がる石油ストーブや石油ファンヒーターの使用を控える必要があります。
気密性の高い住宅で石油ストーブなどを使うと、酸素不足や一酸化炭素中毒などのリスクがあるためです。
健康被害のリスクを避けるには、24時間換気システムだけでは換気が間に合わず、窓を開けた換気が必要です。
しかし、窓を開けた換気は高気密・高断熱住宅のメリットが失われてしまうため、エアコンや床暖房を使用するのがよいでしょう。
高気密・高断熱住宅を建てるには、良質な材料だけでなく、高い技術や丁寧な施工が必要になります。
施工内容によっては、気密性や断熱性が失われる場合もあり、住宅メーカーの選択には十分注意したいところです。
不明な点は実績が豊富な住宅メーカーに依頼・問い合わせしましょう。
高気密・高断熱住宅では、外気温の影響を受けにくく、年間を通して快適な室温で過ごせます。
体に負担が少なく光熱費を抑えられるなどのメリットもあります。
施工技術が性能に大きく関わるため、実績が豊富で信頼できる住宅メーカーを選びましょう。